保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

森会長の辞任について(3) ~共産主義が<世界標準>ではない~

朝日社説子は、森氏の発言が

《女性の存在をおとしめ、五輪のイメージを失墜させた》(2月13日付朝日新聞社説)

と言う。が、そうしたのは、森発言よりもむしろ大衆を煽り騒ぎ立てたマスコミの方ではなかったか。

 「女性がたくさん入っている理事会が時間がかかります」とは、理事会の女性理事の発言が長いと不満を漏らしているだけであって、これを女性一般の存在を貶(おとし)めることを意図したものだと解釈するのは相当なひねくれ者である。

《森氏の発言は、日本は性差別の残る時代遅れな国だ、という印象を国際社会に与えてしまった》(2月13日付読売新聞社説)

 森発言を<性差別>と考える<国際社会>はどこにあるのか。東京五輪の開催を快く思わない人達は森発言を<性差別>と煽るのであろうが、このような連中を<国際社会>一般と考えるのはあまりにも軽率である。

 <男女平等>は「絶対的善」だと考えるのは危険である。戦後日本人は、「平等」は絶対的真理だと信じ込んでいる嫌いがあるが、これは左翼思想の刷り込みでしかない。

《水平化しようとする人間は決して平等をもたらしません…およそ多様な種類の市民から成り立っている社会ではどこでも、どれかの職業階級が最上位に立たなければなりません。従って、水平主義者達は事物自然の秩序を変え、歪曲する以外の何事もしていないのです。彼らは、体積からいっても地上に置かねばならない構造物を空中に持ち上げることによって、社会という建築物に負担を掛けているのです》(エドマンド・バークフランス革命省察』(みすず書房)半沢孝麿訳、p. 63)

《驚きあきれたのは、辞意を表明する前日に、組織委の評議員である川淵三郎日本サッカー協会相談役に会い、後任会長に就くよう要請したことだ。大きな汚点を残して退場する者が、後継者を指名する。およそ理解を得られる話ではない。

 これを受け入れ、森氏に相談役として組織委に残るよう求めた川淵氏ともども、ふつうの市民の常識や感覚とのギャップは目を覆うばかりだ》(同、朝日社説)

 自分たちと思想の異なる川淵氏を後継者にはさせないということなのだろう。朝日新聞の堀内京子記者は次のように言っていた。

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 《今回の問題は、男女格差の解消が遅々として進まない日本の現実を浮き彫りにした。

 昨年末に決まった男女共同参画基本計画にも、女性の社会進出に本気で取り組むつもりがあるとは思えぬ政府の姿勢が、随所に表れている。森発言に真摯(しんし)に対処しようとしなかった菅首相をはじめとする政権幹部は、自分たちの価値観が、世の中、そして国際標準からいかにずれているかを認識すべきだ》(同)

 <男女共同参画>を法律に定め、男女差を無くし、男女平等にし、共産化する。このように世界を共産化することがはたして<世界標準>なのだろうか。それは共産主義者の勝手な言い分でしかない。【続】