東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が3日、日本オリンピック委員会の臨時評議員会で、「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」と発言したことが波紋を広げている。
4日放送のワイドショー「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で司会の羽鳥慎一アナウンサーは、次のように発言した。
「男女問題に関する日本全体の世界に比べての考え方の遅れがこの発言になって出てきているのかな」
「これだけでなくて恐らく日本全体にこういう風潮が残っているんだろうな」
「記者なんかの間で『本当は言っちゃいけないんだけどね』、ってポロっと言ったんじゃなくてオンライン会議で記者に公開されることが分かるところで、言っているっていうことは本当に思ってるから言っているんだろう」(スポーツ報知2021年2月4日8時26分)
アシスタントのテレビ朝日・斎藤ちはるアナウンサーの発言も同様である。
「正直、ショックというよりは呆れが強いなと思っちゃいましたね」
「こういう人がいるから、なかなか女性の進出が進んでいかないのかなと思っちゃいましたね」(同)
が、私はむしろこのように深く考えることもなく表層的な反応をする人たちが大勢いるから日本の社会は駄目なのではないかと思ってしまうのである。
実際森氏は次のように言っている。
「(会議がオンラインで報道陣に公開されており)テレビがあるからやりにくいが、女性理事4割は、これは文科省がうるさくいうんでね(※スポーツ庁が示した競技団体が守るべき指針のガバナンスコードでは、女性理事40%以上が目標)。女性がたくさん入っている理事会が時間がかかります。(日本)ラグビー協会は(会議が)今までの倍、時間がかかる。女性が10人くらいいるのか、今は5人か。女性は優れており、競争意識が強い。誰か一人が手を挙げて言われると、自分も言わないといけないと思うんでしょうね。それでみんな発言される。
あまり言うと新聞に漏れると大変だな。また悪口を言ったと言われる。女性を増やしていく場合は、「発言の時間をある程度、規制を促しておかないと、なかなか終わらないので困る」と言っておられた。誰が言ったかは言わないけど。私どもの組織委にも女性は何人いる? 7人くらいかな。みんなわきまえておられる。みんな競技団体からのご出身、また国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。お話もきちっと的を射ており、欠員があればすぐ女性を選ぼうとなる」(毎日新聞2月3日22時41分)
後段部分を見れば、森氏が女性を蔑視したわけではないことが分かる。つまり、 批判者は前段部分だけを切り取って批判しているということになる。【続】