保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

元日社説を読む(1) ~朝日社説~

パンデミックが世界を覆い尽くす速度は昔日の比ではない。

 地球環境は「気候危機」に立ち至った。

 核の恐怖を伝える「終末時計」は昨年、人類滅亡まで「残り100秒」を指し、史上最悪を記録した。

 いずれも、現代文明が産み落としたグローバルな巨大リスクである》(1月1日付朝日新聞社説)

 おどろおどろしい筆致である。「パンデミック」、「地球温暖化」、「核兵器」。成程、これらは<現代文明が産み落としたグローバルな巨大リスク>なのかもしれない。が、1つひとつを具体的に見ていけば、おそらくその印象は違ってくるだろう。

 第1の指摘は、世界的感染拡大の速度が昔と比べて速くなっているということである。間違ってはならないのは、<パンデミック>が怖いという話ではなく、物流の速度が増せば感染拡大の速度も増すということである。

 グローバリズムにも光があれば影もある。何事もその両面を見なければならないという当たり前の原理である。つまり、グローバリズムの行き過ぎには注意しなければならないということである。

 次の指摘「地球温暖化」は、ほとんどの日本人にとって紛う方(まごうかた)無き「真実」ということなのだろうが、実際は単純極まりないCO2原因仮説に過ぎず、地球の気温がCO2濃度で決まるなどという話を信じるのは愚かと言うより他はない。

 例えば、昨今大型台風が来れば、すぐ「地球温暖化」と結び付けて考えられるから、「地球温暖化」がさも問題であるかのように思われてしまうが、日本に来た最大級の台風は1960年前後のものであり「地球温暖化」が言われる前のものである。何でもかんでも「地球温暖化」の所為(せい)にしてしまっては事の本質を見誤る。

 最後の指摘「終末時計」は実際の時間を表すものではない。<人類滅亡まで「残り100秒」>などという言い方は終末を煽る「カルト」である。20××年に地球は滅亡するという話と何ら変わらない。

《3・11の東日本大震災福島原発事故の3カ月半後、政府の復興構想会議が出した提言の一節が思い出される。

 「われわれの文明の性格そのものが問われているのではないか」》(同)

 こういう突拍子もないことを言っても意味がない。実際、こういう哲学的命題を胸に政治がおこなわれてきた節はない。「モリカケ・桜・学術会議」などとは余りにも位相が違い過ぎる。

《人類に豊かさをもたらしたはずの文明が、人類に牙をむく。この逆説を、改めて深く銘記せざるをえない》(同)

 現実逃避そのものである。このようなことは自分たちの報道を分かった上で言って頂きたい。

《コロナ禍で傷んだ経済の再生を、脱炭素や生態系の保全といった気候変動への取り組みと連動させようという機運が生じている。「グリーンリカバリー(緑の復興)」である。

 「経済を回す」ことを単に取り戻すのではなく、環境に目配りし、次代の人類社会の姿を描きつつ、二兎(にと)を追う》(同)

 我々はどこまでこのようなカルト信者に付き合わねばならないのか。【続】