保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

シナのTPP参加など有り得ない

「シナ」という言葉は侮蔑語ではない。英語のChinaと同系統の言葉である。が、おそらくほとんどの戦後日本人が洗脳され「中国」と呼ばされてしまっている。

 逆に「中国」は「世界の中心の国」という意味であり、このように呼ぶことは日本が「シナ」の支配下にあるということを認めているようなものである。

 現在の日本は、かつてのシナ王朝の冊封(さくほう)体制下にあるわけではないのだから、お互い力関係を誤らないためにも、シナは「中国」ではなく「シナ」と呼ぶことが絶対に必要である。

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《中国の習近平国家主席アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加を「積極的に検討する」と表明した》(11月22日付産經新聞主張)

 この一事からも、日本が相当甘く見られていることが分かる。TPPは単なる経済協定ではない。シナのような権威主義国家に対抗すべく作られた自由協定であり、非民主主義国シナが参加することなど断じて有り得ない。

 そんなことはシナも承知であろう。にもかかわらず、参加をちらつかせるのは、陽動作戦でもあろうし、日本人の反感度を測る観測気球のようなものでもあろうかと思われる。

 もし万万一、シナがTPPに加わることになれば、シナの「勝手協定」として換骨奪胎(かんこつだったい)しようと目論んでいるのではないかと予想される。

《米国が離脱したTPPへの参加意欲を示すことで、先に署名した地域的な包括的経済連携(RCEP)と合わせて、自由貿易の推進役を標榜(ひょうぼう)する思惑があるのだろう。

 米中対立が激化する中、政権交代期の米国の機先を制して、アジア太平洋地域における影響力を高めようとする戦略的な発言だと受け止めるべきである》(同)

 この問題を取り上げている新聞社説は、波風を立てないのが得策と思ってなのか、24日現在、産經だけである。が、その産經がこのような甘いことを言っているようではお先真っ暗である。

 シナはTPPのような自由貿易圏が拡大することをよく思っていないから、あわよくばTPPに参加し、これを抑え込もうと考えているだけである。<自由貿易の推進役>になる気など寸毫(すんごう)もないだろう。

 また、シナは<アジア太平洋地域における影響力>を高めようとしているといった軟(やわ)な話ではなく、ハワイ以西の覇権を握ろうとしているのである。

《日本が最も警戒すべき点は米中間の新型大国関係という概念です。これは、習氏が副主席のときに言いだしたもので、米国と中国は大国で相互に主権を尊重し、万事、国家関係をうまくやっていきましょうというものです。

2008年3月、上院軍事委員会で米太平洋軍のキーティング司令官(海軍大将)が07年に訪中し中国海軍高官と会談した際、中国高官が「太平洋をハワイで割りましょう。ハワイ以東は米国、以西はこっち(中国)が管理しましょう」と提案したと証言した。これが習氏の新型大国関係の雛型と言われている》(「日本会議田久保忠衛会長が激白90分「籠池問題は迷惑。安倍政権は日和っている」:AERA dot. 2017.3.22 11:30)

《問題は米国である。大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領には、早急にTPPに復帰する方針を明言してほしい。対応が遅れると、その分、この地域での中国の存在感が高まろう。これを避けるためにも、日本政府はバイデン氏に復帰を強く促していくべきである》(同、産經主張)

 米大統領選はまだ決着などしてはいない。どうして産經はバイデン氏の勝利を確信しているのであろうか。この軽率さは何なのであろうか。残念ながら、日本の新聞は総崩れと言わざるを得ない。