保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

日本学術会議人事について(1) ~左翼の巣窟~

《「学者の国会」といわれる日本学術会議の新会員について、菅首相は、同会議が法律に基づき「優れた研究・業績がある」として推薦した候補者105人のうち、6人の任命を拒んだ》(10月3日付朝日新聞社説)

 これに対し、左寄りマスコミは「暴挙」だと反発する。

《過去に例のない暴挙で、到底見過ごすことはできない》(朝日社説)

憲法が保障する学問の自由に権力が土足で踏み込む暴挙だ》(東京社説)

《政権を批判した学者を、理由も明らかにせず排除するやり方は憲法23条が保障する学問の自由と、学術会議の独立性を否定する暴挙である》(琉球新報社説)

 が、こういった冷静さを欠く言葉遣いでは読者を煽ることは出来ても説得することは出来ないだろう。否、おそらく端(はな)から冷静に読者を説得しようなどという気がないから、このような扇動的な言葉遣いをするのであろう。

日本学術会議は1949年、日本人科学者の代表機関として設立された。定員210人。任期は6年で3年ごとに半数が交代する》(10月3日付琉球新報社説)

 つまり、日本学術会議はGHQ占領期に設立されたわけだが、GHQは戦前の日本に協力的であった学者を排除したので、「象牙の塔」は左翼学者の巣窟となった。日本学術会議も同様の傾向を帯びているだろうことは想像に難くない。

 福井県立大学島田洋一教授は自身のツイッターで次のように呟(つぶや)いた。

《私も30年以上学会に身を置いてきたので断言するが、日本学術会議は虚飾の肩書と小遣い銭が欲しい古株教授以外には無縁かつ無用の長物。大学は左翼が多いため「学会の推薦」となると必然的に左翼の溜まり場となる》(10月2日付)

 日本学術会議の会員は、元来「科学者による互選」だったが、「学術研究団体による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命」(昭和58年)、「学術研究団体による推薦に基づいて、総務大臣が任命」(平成11年)、「日本学術会議の推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命」(平成16年)と規約が変更され現在に至っている。

日本学術会議法は、学術会議の「推薦」を踏まえ内閣総理大臣が「任命する」(第7条2項)と規定している。首相は、その分野の専門家でないので学問的業績を評価できない。このため推薦が尊重されてきた》(同、琉球社説)

 成程、首相は門外漢ゆえ学問的業績は評価できないのかもしれない。が、政治的言動は評価できる。

《6人は濃淡の差はあれ、安倍政権が推進した安保法制や「共謀罪」法、改憲の動きなどに疑義を呈してきた》(同、朝日社説)

のであれば、会員に相応しくないと判断されても致し方ないではないか。【続】