《ジャーナリストの伊藤詩織さんが性暴力を受けたとして、元TBS記者の山口敬之氏を訴えた民事裁判で東京地裁は山口氏に賠償を命じた》(2019年12月27日付)
私は非常に違和感がある。どうして大新聞の社説がこの事件を大々的に取り上げなければならないのか。まして、民事裁判の1審判決の時点で取り上げるような話ではない。
逆に言えば、本来取り上げるべきでないものを無理して取り上げるのは、そこに何らかの「意図」があるからであろう。言うまでもなく、安倍政権叩きに使いたいということである。
だからこそ余計にこの事案は胡散臭くなる。無理して伊藤女史の肩を持とうとするから怪しくなるのである。
《判決は、深酔い状態で意識のない伊藤さんに対し、山口氏が合意のないまま性行為に及んだと認定した》(同)
繰り返すがこれは1審である。このあとどのように判決が変わるのか分からない。したがって、現時点で確定的に書くような話ではない。それどころか、
《伊藤さんは準強姦(ごうかん)容疑で警視庁に告訴したが、東京地検は不起訴にした。検察審査会も不起訴を相当とした》(同)
事案である。
さらに伊藤女史に違和感を覚えるのは、海外でこの問題を言いふらしていることである。日本は女性への性的暴行がもみ消される社会だから海外の世論の力を借りようとしているということなのか。が、これは私には日本を貶(おとし)めるための活動のようにしか思えない。
そもそも伊藤女史は自分から山口敬之氏に近寄り過ぎである。仕事が欲しくて山口氏に近寄ったということであるが、無防備に過ぎやしないか。逆に言えば、今回のような問題を引き起こすために近寄ったかのように感ぜざるを得ないのである。
仕事が欲しかったのか、お金が欲しかったのか、それとも山口氏を陥れたかったのか、安倍政権に傷を付けたかったのか。山口氏は安倍晋三首相と仲が良いので、事件がもみ消されそうになったと海外で言い触れ回っているわけであるが、あまりにも行動が怪しすぎる。
いや、この問題に深く入り込んでも詮無きことである。所詮は男女の痴話話でしかない。密室でどのような遣り取りがあったかなど他人が知る由もない。
否、やはり大新聞の社説が書くような話ではないし、書くのなら結審してからであろう。
《勝訴の報は海外メディアでも大きく取り上げられた。米国のワシントン・ポストは「日本人女性の権利の勝利」と。CNNテレビも、英国のBBC放送なども一斉に報道した。台湾などでも同じだ。伊藤さんの著書「Black Box」は、中国では「黒箱」と題し出版、注目されている。
海外メディアの主張はどれも正当なものだ。例えば日本では性暴力に遭っても警察に相談するケースは少ないとか、刑事罰を科す困難さを挙げて、日本の性犯罪に対する後進性を説いたりした。何より首相と親しい山口敬之(のりゆき)元TBS記者を訴えた裁判だったことに焦点を当てたりした》(2019年12月24日東京新聞社説)
が、今回判決は、<性暴力>を認定したわけではない。また、3審制の1審判決に過ぎない。なのにどうして海外メディアが大きく取り上げるのか。「反日」ネットワークが透けて見える話である。