保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

風化する太平洋戦争(3) ~自虐史観の呪縛~

米大統領フランクリン・ルーズベルト1940108日の段階で、海軍大将ジェームズ・リチャードソンに対し「遅かれ早かれ、やつら(日本)は過ちを犯し、そしてわれわれは戦争に突入することになる」と語っていました。

 陸軍長官ヘンリー・スチムソンの日記によると、ハル・ノートがわが国に通告される前日の19411125日、関係閣僚と軍幹部による戦争閣議ルーズベルトは「米国はたぶん次の月曜日(121日)に攻撃を受ける可能性がある」と発言。「われわれ自身が過大な危険にさらされないで、最初の一弾を撃たせるような立場に、日本をいかにして誘導していくべきか」が話し合われました》(【入門・日米戦争どっちが悪い(6)】「『真珠湾』事前に知っていたルーズベルト 現地に教えず見殺し」:産經ニュース 2017.1.8 15:00

 米英が日本を戦争に巻き込んだ。そしてその背後にはソ連コミンテルンが暗躍していた。が、このことを知る日本人はごく限られた人達だけであろう。

《真実に目をつむり、つむらされ、心に思ったことを口にできず、言わせもしない。耳もまた、ふさがれた。そんな暗黒の過去を語り継ぎ、いつまでも歴史に封じておきたいと誓う、きょうの「開戦の日」である》(128日付神戸新聞「正平調」)

 多くの日本人が敗戦後GHQの「War Guilt Information Program」によって刷り込まれた自虐史観に呪縛されたままなのであろう。<真実>とは何かを考えようともせず、ただ日本だけが悪かったという「嘘話」を疑いもしない。

 真珠湾攻撃は日本の騙し討ちだったというのは、モンロー主義を唱えて当選したルーズベルト米大統領が米国民を第2次大戦へ引きずり込むための「嘘」であり、ルーズベルトは日本に最初の一発を撃たせるために、日本の奇襲攻撃を知っていながら知らないふりをした。

《この頃の状況を理解するためには、アルバートC・クェデマイヤー将軍の書いた分析が役に立つ。彼は先に書いたように、当時、ワシントンにいて陸軍の作戦立案に重要な役割を果たしていた。彼の著書「クェデマイヤー報告書」には次のように書かれでいる。

126日、解読された暗号は、日本が翌日に、太平洋中央部あるいはフィリピンないしは蘭領東インド諸島のどこかを攻撃することを示唆していた。この時点で、我が軍の最高司令官である大統領は、ラジオを使って、ただちに世界に警告を発することができた。日本の攻撃が近々にあることを示す証拠を持っていると伝えることができた。それをしていれば、シンガポールから真珠湾まで、ただちに警戒態勢に入ることができた。十分な防衛がとれなかったとしでも、少なくとも日本の攻撃を遅らせるくらいのことはできた。

たとえばハワイだが、主要艦船は混み合った真珠湾から外洋に出しておくこともできた。(幸運なことに)キンメル提督は、最も大部な航空母艦を遠くに配置しておくだけの先見の明はあった。さらに言えば、太平洋中部にいた機動部隊は、日本の艦隊の艦載機が飛び立つ頃に攻撃ができていたかもしれない。いずれにせよ(大統領が警告を発しでいれば)我が軍には戦えるチャンスがあったかもしれないのである)(フーバー『裏切られた自由 上』(草思社)渡辺惣樹訳、pp. 518-519【続】