保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

閣僚の靖国神社参拝について(5) ~歪められた過去に縛られること勿れ~

靖国神社には東京裁判A級戦犯が合祀(ごうし)されている。政府の指導的立場にある者が参拝すれば、過去の侵略戦争を正当化したと対外的に受け取られかねない》(1018日付北海道新聞社説)

 東京裁判という戦勝国の「復讐劇」で、文明社会にあるまじき「事後法」によって裁かれた「A級戦犯」などという呼称を未だに使い続けるのは余りにも軽率である。また、大東亜・太平洋戦争が「侵略戦争」だというのも東京裁判によって示された偽の歴史でしかない。

 本当に日本がアジアに侵略を仕掛けたのなら、194311月に開かれた「大東亜会議」にアジア各地の指導者が参集するはずがない。「侵略戦争」などという汚名を雪(すす)ぐことは<侵略戦争を正当化>することではない。

沖縄県尖閣諸島の国有化を機に冷え込んだ日中関係は改善機運にある。

 徴用工問題などを巡り、戦後最悪の関係にある日韓両政府間では、安倍晋三首相と、22日の天皇陛下の「即位礼正殿の儀」に合わせて来日する李洛淵(イナギョン)首相が会談する方向で調整が進んでいる。

 今回の参拝はそうした動きに水を差す。自らの思想や信条を優先し、隣国の思いを顧みない行動と言うほかない》(同)

 日中関係に改善の兆しがみられるとすれば、それは米中が衝突していることで日本を少しでも見方に付けておきたいからであろうと思われる。日本の閣僚が慰霊のため靖国に参拝することで日中関係が冷え込むとすれば、その程度の関係改善でしかなかったということに過ぎない。関係悪化を怖れて参拝を自粛するとすればそれは相手側の思う壺である。

 また、日韓関係について言えば、無礼極まる韓国に配慮する必要はまったくない。勿論、相手が無礼だからこちらも無礼に振る舞って良いという意味で言っているのではないが、日本の閣僚が靖国に参拝することにケチを付けること自体が無礼な話である。他国が内々で自国の戦死者を慰霊することに「いちゃもん」を付けるのは外交上非礼ではないのか。非難すれば日本は折れると思われているからこそシナや朝鮮が非難するという構図は改めるべきだ。

《過去を直視する姿勢を政府が一体となって示さなければ、隣国からの信頼は得られまい》(同)

 シナや朝鮮の言う歴史は自分勝手な歴史でしかない。シナや朝鮮には時の権力者が自らに都合の良い「歴史」を民衆に押し付けてきた歴史がある。彼らの主張する「歴史」を真に受けるのは愚の骨頂でしかない。

 <過去を直視する>ことは大切なことではあるが、彼らの「歪められた過去」に手足を縛られる、否、それどころか、自ら手足を縛ろうとするのは愚かなことだと言わざるを得ない。【了】