保守論客の独り言

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臨時国会開幕(1) ~底をついた安倍政権批判~

10月5日付の各紙社説は臨時国会および安倍晋三首相の所信表明演説に関するものだった。

 相変わらず変なことを言うのが朝日社説である。

《山積する内外の課題に対し、与野党がともに真剣に議論を戦わせ、行政監視機能を果たさねばならない。立法府の役割を取り戻す正念場である》(朝日新聞

 <山積する内外の課題>は、基本的に<行政>と関係ない。このような見方は安倍政権が独善的な政権運営を行っているという色眼鏡から来ているのであろうが、これが的外れであることは言うまでもない。例えば、日韓関係にしても、問題は韓国側にあるのであって、安倍政権の問題ではない。韓国側が反日政策をとり続けている限り関係修復を図ることが出来るはずがない。

 また、立法府の役割が<行政監視機能>であるかのように言うのも間違いである。そういった役割がないわけではなかろうが、立法府は行政府の単なる監視機関ではなく、国権の最高機関である。

《安倍政権は先の通常国会の後半、野党による予算委員会の開催要求を一顧だにせず、参院選後の臨時国会の早期召集にも応じなかった。論戦を回避する政権の姿勢こそが、国会の行政監視機能の空洞化を招いている》(同)

 ここで言う<行政監視>とは、おそらく「森友・加計問題」をはじめとする難癖付けなのであろう。これに国民がそっぽを向いていることに気が付かないわけではなかろうから、他に目ぼしい安倍政権批判が見当たらないということなのであろう。

《今国会では、あいちトリエンナーレへの補助金取り消しや、NHKのかんぽ不正報道をめぐる一連の問題、関西電力役員らの金品受領など、表現の自由原子力政策の根幹にかかわる重いテーマも控えている。まずは政権が国会での説明責任に真摯(しんし)に向き合う。それが立法府を立て直す出発点である》(同)

 本気でこれらの問題に取り組むのなら面白いが、例えば、<あいちトリエンナーレ>の問題で、昭和天皇や特攻隊の名誉が毀損されたことを隠し続けることは出来ず、言論の自由の問題が反転しかねない。関電の問題も解放同盟の関与が囁かれており、どこまで追求できるのか疑問である。

参院選を乗り切り、消費税率を10%に引き上げたうえで、残る2年の自民党総裁任期で首相は何を成し遂げようとしているのか。意欲的な説明が聞けるかと期待したが、率直に言って拍子抜けだった》(毎日新聞

 <意欲的な説明が聞けるかと期待>などしているはずがないのに、こんな嫌味な書き方をするのは下劣である。これまでの安倍首相の所信表明が素晴らしいものだったのなら期待もするだろうが、相も変わらず雲を掴むような話でしかなかっただけである。【続】