保守論客の独り言

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福島瑞穂議員「2千万円貯めるより、1票で変える方が簡単」発言について

福島瑞穂社民党副党首が、千葉県市川市での街頭演説で次のように述べたという。

「老後2千万円が必要という金融庁の報告書に、私、本当に怒りました。長生きすると2千万円必要、死ぬまで働け、年金をあてにするな。おまけに投資せよ、というものです。自己責任、自己責任、自己責任。こんなの政治の放棄ではないでしょうか。自己責任でやれるなら、政府は要らないですよ。安心できる年金と、雇用の立て直しこそ、政治がやるべきではないでしょうか」(朝日新聞デジタル7/5() 16:44配信)

 金融庁の報告書は、金額の多寡は別にして豊かな老後を送ろうとすれば年金だけでは不足することを試算したものに過ぎず、皆が平均寿命を超えて生きるわけでもなく、したがって、皆が95歳まで生き、それには2千万円が必要というわけではないのに、このように2千万円、2千万円というのは悪質な扇動に過ぎない。

 <死ぬまで働け>も酷(ひど)い。日本人には「働く」ことが美徳であるというDNAが埋め込まれている。「働ける間は働く」という当たり前のことを拒否し、できるだけ「遊んで暮らしたい」などという「放蕩老人」が多いとはとても思わない。福島女史の仕事観は日本人的ではない。

 老後に備えが必要だという話は当たり前のことであって、これを現代風に<自己責任>などという言葉で表するには当たらない。

 北欧の福祉国家のように様々な社会福祉を国家が面倒みる体制をとるのならいざ知らず、日本は中福祉の国なのであるから、すべてを国家に依存しようとするのは間違っている。これは<政治の放棄>云々(うんぬん)の話ではない。

参院で「立憲野党」が過半数をとれば安倍政権は退陣をします。国民の生活をみない安倍政治よ、さようなら。政治を私物化する「俺様政治」の安倍政治よ、さようなら。そして、みんなの政治よ、こんにちは。2千万円ためるより、1票で変えるほうが簡単です」(同)

 <2千万円ためるより、1票で変えるほうが簡単です>ということは、もし野党が政権を奪取すれば、2千万円の蓄えがなくとも、年金だけで老後の生活が安楽に送れるということなのか。

 指摘するまでもないが、そんなこと出来るはずがないのである。2009年の政権交代のとき、社民党は政権の一翼を担っていた。が、「消えた年金」問題の後処理もままならず、何ら建設的な年金制度の提言すら出来ずに、連立政権は瓦解した。まさに「巧言令色鮮し仁」であった。

 福島女史も、これを取り上げる朝日新聞も「オワコン」(終わったコンテンツ)である。