保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

新元号「令和」について(1) ~御代替わり前の空騒ぎ~

読売新聞社が1~2日に実施した緊急全国世論調査で、新元号の「令和」に「好感を持っている」と答えた人は62%で、「なじみにくい感じを持っている」の31%を上回った。その一方、5月1日に元号が変わることで、日本の社会の雰囲気が「変わる」とした人は31%で、「変わらない」が64%と半数を超えた。

 新元号が日本の古典から引用されたことを「評価する」は88%と高い割合を示した》

 私は、そもそも「生前退位」に反対の立場であり、したがって、今上陛下御存命中に新元号が発表されるということに余り好い気がしないのだけれども、世間の人たちが新元号に好感を抱いているのであれば、それはそれで結構なことだとは思われる。

自民党石破茂元幹事長は1日、新元号が「令和(れいわ)」に決定したことについて、「違和感がある。『令』の字の意味について国民が納得してもらえるよう説明する努力をしなければならない」と述べた。記者団代表による電話取材に語った。

 石破氏は「令」が「命令」を連想させることを懸念したとみられる》(産経ニュース 4/1() 17:46配信)

 これまでの元号に「令」の字が使われてこなかったことにそれなりの意味があると思われるけれども、今更発表された新元号にケチを付けても始まらない。新元号施行前に負の心象をわざわざ国民に植え付けるようなまねはやはり控えるべきであろうと思われる。

立憲民主党辻元清美国対委員長2日の党代議士会で、新元号の発表方法について「ちょっと安倍晋三首相がしゃしゃり出過ぎじゃないか。ぺらぺらとテレビで(新元号の)解釈や自分の思いを言うのは政治家として慎むべきだ。首相が思いを述べるほど元号が軽くなる」と批判した。

 社民党又市征治党首も記者会見で「首相は個人のアピールの場と勘違いしているのではないか」と苦言を呈した》(JIJI.COM 4/2() 14:32配信)

 日頃の野党の首相批判には賛同しないが、この指摘はその通りのように思われる。施行されていない元号についてああだこうだと言うのはやはり宜しくないだろう。元号とは国民統合の要(かなめ)なのであり、ただでさえ新旧の元号が「並存」する今月は不安定となるのであるから、出来るだけそっとしておいてもらいたい。

日本共産党志位和夫委員長(64)は1日、新元号「令和」使用の強制に反対する声明を出した。

 全文は以下の通り。

 一、元号は、もともとは中国に由来するもので、「君主が空間だけでなく時間まで支配する」という思想に基づくものである。それは日本国憲法国民主権の原則になじまないものだと考えている。

 一、わが党は、国民が元号を慣習的に使用することに反対するものではない。同時に、西暦か元号か、いかなる紀年法を用いるかは、自由な国民自身の選択にゆだねられるべきであって、国による使用の強制には反対する。

 一、政府は、これまでも「一般国民にまで(元号の)使用を強制することにはならない」ことを「政府統一見解」として明らかにしている。この立場を厳格に守ることを、あらためて求める》(スポーツ報知 4/1() 15:36配信)

 共産党天皇制打破を党是としているのであるから、このように言うのはもっともである。が、だからこそ国民に受け入れられないのであるが…【続】