一燈照隅(池内昭夫の日記)

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大阪北部地震のブロック塀倒壊第三者委員会の答申について

《6月の大阪北部地震で、大阪府高槻市立寿栄(じゅえい)小のブロック塀が倒壊し、4年生の女児=当時(9)=が下敷きになり死亡した事故で、原因究明を図る市の地震事故調査委員会(第三者委、委員長=奥村与志弘・関西大准教授)は29日、施工不良などが倒壊の原因とする結論をまとめ、浜田剛史市長に答申した。近く詳細な報告書を提出する》(産經新聞 2018.10.29 22:39

 <施工不良などが倒壊の原因>とは、随分「幼稚」な答申である。このような答申をする方も「幼稚」だが、ははあと受け取る方も「幼稚」である。

《倒壊の原因として、ブロック塀と基礎部分をつなぐ46カ所の鉄筋が溶接されずに内部に使われたことや、基礎部分に入った鉄筋が短かった》(同)

 それはそうなのだろう。が、「原因」とは、このような直接の問題だけを指すのではない。本調査委員会は<原因究明を図る>という名目なのであるから、しっかり<原因>を<究明>してもらわねば困る。

《塀は昭和49年につくられ、基礎部分(約1・9メートル)の上にブロック塀が8段(計約1・6メートル)積み上げられ、高さは約3・5メートル。建築基準法施行令の高さ制限(2・2メートル以下)を超え、高さ1・2メートルを超す場合に必要な補強用の「控え壁」もなかった》(同)

 つまりこの塀は違法建築であったということであり、どうしてこのような法律違反が許されたのか、そこに切り込まねば意味がない。

 同様のブロック塀は時期を同じくして幾つも建てられている。たまたまこの一件の違法が見逃されたのではなく、他にも同様の違法ブロック塀建築が黙過された可能性が高い。

 同じ業者がすべての違法ブロック塀を建てたというのなら業者の問題と言えるのかもしれないが、そうでなければ、別の力が働いたとしか考えられない。違法ブロック塀は高槻市だけでなく豊中市にも見られたという。所属の異なる複数の公務員がこれ気付かなかったというのもまた腑に落ちない。

《業者の一部がブロック塀の法定点検をせず、市教委もチェックが不十分だった》(同)

というのも究明不足である。

《15年11月に塀の危険性を市教委と学校に指摘した防災専門家が、1カ月後に改めて学校にメールを送り、建築基準法改正(1981年)前につくられたブロック塀には特に注意が必要だと指摘していた》(産経フォト 2018.6.22のニュース)

《専門家の危険性の指摘を受けて点検した市教委職員2人には、点検に関する専門的な資格がなかった(中略)

 点検は2016年2月に実施。ブロック塀を目視し、棒でたたいたという。市教委は「ひび割れなどが確認されず問題がないと判断した。(ブロック塀について)違法であるとの認識はそもそもなく、劣化度合いを見ていた」と説明した》(同)

 専門家の危険性の指摘を素人公務員が真剣に受け止めずに打ち消すなどといういい加減な対応がなければ今回の事故が防げた可能性は高い。この点に関する追及は<原因究明>には不可欠である。

 一方、塀の内部構造に問題があったことから、点検で「不良箇所を把握できたわけではない」と指摘。現存するブロック塀は「すべて撤去すべきだ」と結論づけた。市の責任については明確に述べなかった》(産經新聞、同)

 このような言い逃れに手を貸すような第三者委員会って一体何なのか。原因を究明する気があるのだろうか。