保守論客の独り言

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新潮45「杉田水脈論文」その後(5)~キャンベル氏の詭弁~

LGBT推進派は反LGB派の敵失を咎(とが)め立てするだけで、杉田論文のどこがどう問題なのか、そして自分たちが何を主張し、どこを目指しているのかがはっきりと示されないから議論にならない。

 日本テレビの情報番組「スッキリ」に出演し、同性愛であることをカミングアウトしたロバート・キャンベル氏の8月12日付ブログを見てみよう。キャンベル氏は、

《同性愛者、両性愛者、トランスジェンダーの人々をひっくるめて「生産性がない」ので「支援」に値しないという別の議員が発した言葉も、お粗末すぎて、反論する気持ちも起きません》

と言う。が、何がどうお粗末なのか反論してもらわなければ分からない。杉田水脈衆院議員は次のように言っている。

子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります。しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか》(「『LGBT』支援の度が過ぎる」:『新潮45』2018年8月号、p. 58

 少子化対策のような大義名分を持たないLGBTのカップルに税金を使うことへの国民の賛同は得られないのではないかと杉田議員は議員然として言っているのである。

《「男(女)の子らしくないぞ」と教室でいじめられ、社会に出れば愛する人の性が違うからといって就職に失敗し、いっしょに部屋を借りたり、ローンを組んで家を建てようものなら門前払いを食らってしまう人は、この国にごまんといます》

とキャンベル氏は言う。が、このようなことは考えにくい。

 世情に追従(ついじゅう)し、LGBT研修を欠くことのない公教育に、「男は男らしく、女は女らしく」などという指導がいまだに残っているとは考えにくい。キャンベル氏はいつの時代のことを言っているのだろうか。

 また、就職の際、同性愛者か否かが問われ採用されないなどということがあるとも思われないし、同性の二人が1つの部屋を借りられないというのも常識的に考えられない。勿論、このような事例は絶対にないとは言えないけれども、少なくとも<ごまん>といるとは思われない。

同性婚を認めるからといって従来の家族の形に悪影響を及ぼしたり、社会を弱体化させたり、産まれるべき子供の数まで減らす等というデータを見たことはありません》

 世の中にはデータ化出来ないこともそれこそ<ごまん>とある。例えば、「<従来の家族の形>への<悪影響>とは何か」一つとっても甲論乙駁で誰もが納得出来る定義さえ得られないであろう。同性婚による悪影響のデータを見たことがないから同性婚を認めるべきであるかのように言うのは詭弁(きべん)である。

 <お粗末>という言葉はそっくりそのままキャンベル氏にお返ししたい。【了】