一燈照隅(池内昭夫の日記)

~天邪鬼(あまのじゃく)の独り言~

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■三木清『人生論ノート』論  5/2(1)「100分de名著」の偏見  5/8(2)幸福論を抹殺したカント  5/15(3)哲学書だからこそ難しい  5/22(4)偏見による幸福と成功の誤読  5/29(5)真の幸福と神  6/5(6)虚栄と虚無   6/15(7)神の怒を思へ! NEW

自民党総裁選討論会(2)~日本の安全保障は大丈夫か?~

安倍「『国際法的に軍隊ではない』ということを日本の首相が明言されますと、自衛隊が今、ハーグ陸戦条約、あるいはウィーン条約ジュネーブ条約等々で権利、義務、規制がかかっているのですが、そこから外れてしまうということになります。つまり日本においては憲法上、必要最小限という制約が、各国にはない制約がかかっておりますから、日本ではいわゆる軍隊ではない。実力組織という考え方であります」

 「しかし、国際社会的には十分、軍隊として認められている。そのわれわれは条約にすでに加盟しているわけでありますから、そこでのわれわれの権利はあるわけでありますし、例えばイージス艦を数隻も所有している。5兆円も防衛費にお金を使っている。それが軍隊ではないということは、もちろん国際社会的にはその方が私は非常識なのではないかと考えますが、どうなのでしょうか」(産経ニュース「自民党総裁選討論会詳報」(4)2018.9.14 12:12

 安倍氏は、自衛隊は国内的には軍隊ではなく実力組織という位置付けではあるが、国際的には軍隊として認められているのだから問題はないという立場のようである。が、果たして自衛隊は本当に国際的に軍隊として認められているのであろうか。例えば、PKO活動において日本国憲法の制約のために戦闘行為が行えない自衛隊は軍隊と呼べるのか、否、国際的にそう認識されているのかということである。今後集団的自衛権を行使して米軍の戦闘行為に加わり例えば捕虜となった場合、本当に国際法の庇護に与(あずか)れるのか甚だ疑問に思われる。

石破「名称は自衛隊のままで構いません。それは国の独立を守る組織。つまり領土であり、国民の生命であり、統治機構であり、これが国家主権ですから、これが外国から侵されたとき、必ずこれを排除する。そういう組織を軍隊と言うんです。世の中は、そういうものです。ただし戦争の、あの悲惨な記憶。軍隊という言葉に対する危機感があることは私もそうです。そうであるならば、それは自衛隊という名称でいい。それは国の独立を守るものだ。総裁がおっしゃったようにジュネーブ条約ジュネーブ条約だけではありません。ハーグ陸戦法、ハーグ海戦法規。それは自衛権を行使する場合のルールなのです」(同)

 たとえ自衛のためであれ戦う組織を軍隊と称するのはその通りである。だから自衛隊は軍隊ではなく実力組織であるという説明は戦わないことを前提とした言い方でしかなく、一旦戦えば軍隊ということになる。が、現行の9条2項を残したままだと「交戦権」を認めていないので、国際法による庇護を受けられない可能性がある。したがって、石破氏が主張するように9条2項は削除する必要がある。

 が、石破氏が頂けないのは<軍隊という言葉に対する危機感>という件(くだり)である。石破氏には、先の戦争は日本軍の暴走によるものだという「自虐史観」が色濃くにじむ。敗戦後すぐならいざ知らず、70年以上を閲(けみ)して様々な資料が公開され、日本の名誉が回復されて良い話も少なくない。にもかかわらず、日本が独立国として軍隊を持つという当たり前のことに危険を感じるというようでは国の指導者としての資質に欠けると言わざるを得ない。(続)