一燈照隅(池内昭夫の日記)

~天邪鬼(あまのじゃく)の独り言~

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慰安婦問題は日本政府自ら蒔いた種(3)

国連人種差別撤廃委員会は、報告書で

「元慰安婦への適切な相談がなく、軍による人権侵害への明確な責任提示をしていないという報告がある」(産経デジタル2018/08/30 22:14)

と日本の対応に懸念を示した。

 が、謝罪や責務が中途半端になってしまっている最大の原因はそれが身に覚えのないことだからである。やってないことに謝罪したり、責任をとることなど出来るはずがない。慰安婦問題は、地に足の着かない「空想」を弄(もてあそ)ぶ空中戦でしかない。

《対日勧告に対し、菅義偉官房長官は「日本政府の説明を十分踏まえておらず、極めて遺憾」などと述べた》(9月2日付産経新聞主張)

 が、そもそも日本政府の説明の在り方、否、説明自体が間違っているのであるから、日本を非難する勧告が出されたとしても仕方のないことである。

《戦後賠償問題は解決済みとの原則の下で、できる限りのことをしてきた。民間の寄付によるアジア女性基金を通じ、元慰安婦らへの償い金を支払うとともに、首相名で心からのおわびと反省を表す手紙を渡してきた》(同)

などと、もう十分責務を果たしてきたではないか、どうしてそれを理解してもらえないのかと言えば言うほど、日本は誠実に史実に向き合わずこの問題を有耶無耶(うやむや)にしようとしていると言われてしまう構造にある。

 またこのような問題に対応するに当たって押さえておかねばならないのは、「国連」と日本人が呼び称している組織は第2次大戦の「連合国軍」(United Nations)が母体となったUnited Nations(UN)であり、必ずしも中立的存在ではないということである。それどころか、UN憲章には日本を対象とした「敵国条項」が未だ存在するということを忘れてはならないのである。

 今更やってないと言うのは「針の穴にラクダを通」さんとするがごとく難しいのは百も承知で言うのであるが、やはりこの問題を本気で決着させようと言うのであれば、やってないということを訴えていくしかない。たとえ「歴史修正主義」だと非難されようが、やっていないことはやっていないと言っていくより道はない。

 森友・加計学園のようなつまらぬ問題で証人喚問するくらいなら、河野洋平氏を国会に招き、「河野談話」が史実に基づかぬ極めて政治的なものであったことを本人の口から国内外に知らしめるという「けじめ」がどうしても必要だと思われる。

 が、「河野談話」に問題があると考えている国会議員がどれくらいいるのか。それどころか、「河野談話」こそが日本の国際的評価を貶(おとし)めている根本であるという認識の日本人はどれくらいいるのか。

 おそらく国際世論をひっくり返す以前に国内世論を変えることすら相当な困難を伴うであろうことは想像に難くない。が、困難だからといってやらなければ何も変わらない。

《為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり》(上杉鷹山

(了)