保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

慰安婦問題は日本政府自ら蒔いた種(2)

が、この問題を終わらせるにはやってないことはやってないと主張する以外に道はない。当然、「河野談話」は撤回しなければならないし、日韓慰安婦合意も韓国側も前政権が勝手に結んだものだからということで履行する気がなさそうだから、これ幸いに破棄すればよい。そして回り道のようではあるが、やはり一からこの問題を整理し直していくしかないだろう。

 朝鮮半島の「慰安婦」とは、その多くが生活苦から親が婦女子を女衒(ぜげん)に売り飛ばしたものであると考えられる。言うまでもなく日本の官憲は無関係である。「慰安婦」の先駆け・金学順女史も最初はそのように証言している。

「生活が苦しくなった母親によって14歳の時に平壌のあるキーセン検番に売られていった。3年間の検番生活を終えた金さんが初めての就職だと思って、検番の義父に連れていかれた所が、華北の日本軍300名余りがいる部隊の前だった」(1991815日付「ハンギョレ新聞」)

 にもかからわず、朝日新聞植村隆氏は事実を捻じ曲げて次のように書いた。

日中戦争第二次世界大戦の際、「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり、「韓国挺身隊問題対策協議会」(尹貞玉・共同代表、16団体約30万人)が聞き取り作業を始めた》(1991年8月2日付「朝日新聞」大阪版27面)

 今では「女子挺身隊」が「慰安婦」とは無関係であることも朝日新聞は認めているが、この嘘の走りとなった朝日・植村氏の罪は重い。これは勘違いというような話ではない。嘘と知りながら日本を貶めるためにこのような記事を書いた。植村氏は韓国が仕掛けてきた情報戦の「尖兵」なのである。

 これに続いたのが済州島における自らの慰安婦狩りを詫びた吉田清治である。が、これは真っ赤な嘘であった。この嘘にまんまと引っ掛かったのが朝日新聞であった。

 否、引っ掛かったというより、利用したという方が正しいだろう。というのは、この嘘は秦郁彦氏が現地調査を行って事実ではないことがすぐ判明しているからである。にもかからわず朝日新聞は吉田証言を撤回しようとはしなかった。それどころか、嘘と知りつつ吉田証言を世界に広め、日本を貶(おと)めるのに躍起であった。

 この嘘話に屁理屈を付けてもっともらしく事実であるかのように偽装したのが吉見義明氏であった。

《戦時中に済州島慰安婦狩りをやったと称する吉田清治の著書を、一部マスコミが信じ流布させたため、日本軍か官憲による強制連行のイメージが定着した。名のりでた慰安婦たちの身の上話も、日本の軍人、官憲にだまされたり連行されてという話が多かった。しかし目撃者が一人も出現せず、逆に朝鮮人の女街にだまされてとか、親に売られたりの話がふえてきた。

 そうなると、補償や給付の根拠が薄れてくるので、反基金派の理論的支柱でもある吉見義明教授は「強制とは狭義の連行にとどまらず、慰安所で性サービスを強いられることもふくむ」と主張するようになった》(秦郁彦『歪められる日本現代史』(PHP)、p. 107)(続)